雷雨’s blog

現実を書こう!

Slender Man夢小説(狂)

たまに見かける視線。
それは夢ではなかった。


†To see is death.†


とある田舎。
女は静かに一人で暮らしていた。
森に囲まれたその空間は都会人には分からない居心地のよさを感じさせる。
そして、何より彼女は景色を楽しみながらの紅茶が大好きであった。
にもかかわらず、最近彼女は悩んでいる。
午後によく紅茶を飲むのだが、視線を森に移すと決まって何かがいるのだ。
黒い身体を持つそれは白い顔でこちらを見ている。
目が合っているのかは定かではない。
だが、彼女はそれが気味悪く紅茶を飲むのを止めた。
お構い無しにその何かの行動は次第にエスカレートしていく。
明くる日に見れば、森から身体が出ていた。
その次に見れば、今度は家の敷地に入ってきていたのだ。
怖くなった彼女は警察を呼ぶが、警察はよく扱ってはくれなかった。
念入りに調べもせず、そのまま帰っていく。
彼女の不安は一気に高まり、窓の鍵を確認してカーテンを締め切ってしまった。
その夜、彼女は不審な物音で目を覚ます。
裏口からカタカタと何か硬いものが当たっている音がするのだ。
頭が真っ白になった彼女は布団を被り、その音が止むのを待った。
少し経って、それは鳴り止む。
安心したのも束の間、今度は窓を叩く音がする。
驚いた彼女は思わず声をあげてしまい、すかさず自分の手で口を押さえた。
窓の音が止み、静けさが漂うと、彼女は布団から顔を出す。
恐る恐る辺りを見渡すと、そこは何時もと変わらない部屋だった。
だが、少し肌寒い。
叩かれた窓を見ると、カーテンが風で揺れているのが分かる。
その瞬間、彼女は凍りついた。
部屋に入ったであろうそれは今どこにいるのか。
暗い部屋を月明かりがカーテンの隙間から覗いた。
と同時に身体中を何かが這い回る。
黒い触手のようなそれは彼女を締め上げる。
力の限り彼女は見上げると、そこには白い何かがいた。