今日も景色は過ぎ去ってゆく
笑い合う人々
泣きながら歩く女の子
犬を連れて散歩する男性
誰かを待ち続ける女性
おもちゃをねだる男の子
たまに自分を重ねて過去を見る
ちょっとした記憶の旅行
走馬灯のように点滅して
色褪せた写真のように古ぼけてゆく
人々が言う
お前は馬鹿だと
女の子が問う
後悔はしてないかと
男性が怒鳴る
邪魔だと
女性が囁く
もう諦めろと
男の子が吠える
言葉にもならない声で
私はただ見ていた
その景色を
私にはそう見えていた
あなたにはどう見える?
未だにあなたのことを好きと言う この私が
どう映る?