雷雨’s blog

現実を書こう!

恋愛の泣ける話15

私が小学生の頃、初めて人を好きになりました。

上級生だったのですが、誰にでも分け隔てなく優しい人で、誰もが彼を好いていました。
どういうわけか、そんな彼が地味な私を好きになってくれて、子供ながらに本気で愛していました。
その彼とは途中日本とロスという遠距離恋愛もしながらも、お互い気持ちは変わる事はなく、
自分は彼と結婚するのだと信じて疑わなかった。
しかしその彼が事故に遭い、一度は元気になったものの他界…
まるでドラマのような展開でその恋は終わりました。
正確に言えば、私の恋は終わってはいなかったのですが。

彼が私の世界であり、彼こそが私の全てだった。
亡くなってからもずっと彼が忘れられず、やっと好きになれたと思った部活の先輩は
結局は彼の面影を重ねていただけだった事に気がつき、すぐに別れました。
もう好きな人に置いていかれるのは嫌だった。
だから人を好きになって失うのが恐くて、
新しい恋愛から自分で自分を遠ざけていた部分もあったのかもしれない。
もうきっと誰も好きにならない…寧ろずっと彼だけを愛してる。
そう思っていました。
彼が居ない世界で生きていく意味が見つからず、何度も自殺未遂をしたけれど、
結局死ねずに、気がつけば彼を好きになてから10年が経っていました。

大学生になってすぐのある日、高校生の男の子が電車で痴漢にあった私を助けてくれました。
とても気さくで可愛いコで、その日から彼とよく会うようになりました。
不思議と彼と居る時は、心の底から笑う事が出来ました。
自然とお互い惹かれあっていくのが解りました。
でも私は昔の彼の事をどうしても完全に想い出には出来ませんでした。
それだけ彼は私の中で大きな存在でした。
だから目の前の彼に告白された時には、嬉しかったけれどとても困惑しました。
未来が消えてしまった昔の彼を置いて、私だけが幸せになろうとしてもいいのか、と。
私は彼に自分の過去を話しました。
重い女だと思われるかもしれないと覚悟していたのですが、
いつも可笑しな事ばかり言っているような彼が、私の為に泣いてくれたのです。
「辛かったな」と。
「その人の事、忘れなくていい、ゆっくり想い出にしていったらいい。
想い出に出来るまで、傍で待ってるから」と。
「俺は死なないから」と。
とても嬉しかった。
50 :恋する名無しさん :2007/01/18(木) 03:57:55
彼と接しているうちに、昔の彼の事を思い出す時、
穏やかな気持ちになれていた事に気付き始めていた頃の事でした。

彼が事故に遭い、病院に運ばれたと連絡が入ったのです。
急に昔の彼の事が頭を過ぎり、全身の血の気が退くのが解りました。
当初は、朦朧としてはいたものの意識もあったそうですが、
病院に運ばれてから急に悪化し、 私が駆けつけた時には既に息を引き取った後でした。
以前から何度かお会いしていた彼のお父さんに付き添われて、彼に会いました。
彼の綺麗だった顔には大きな傷が残っていて、
痛々しくて自分の心も痛くて息が出来ませんでした。
そんな私を気遣いながら、彼のお父さんは私に彼の携帯を渡してくれました。
救急車の中でも携帯を離さなかったそうで、その携帯を開くと私宛のメールが打ってありました。
『ずっと愛してる 約束やぶってごめん』
人前で泣くのが大嫌いな私が、堪えきれずにボロボロ泣いていました。
こんな声が出るのかと思うくらい惨めな声で泣きじゃくりました。
彼のお父さんは「きっと、どうしても最期に伝えたかったんだと思うよ」と言って、
私の肩をポンと叩きました。
顔を上げると、お父さんも泣いていました。
「こいつは、ずっと君と結婚するんだと騒いでいたんだよ」と言った擦れた声が、
妙にハッキリと私の頭に響きました。
そして以前、ふざけながら話していた子供の名前の話や、
マイホームの話を、彼の明るい声と笑顔と共に思い出していました。
臆病で照れ屋で…今まで一度も、以前好きだった彼にさえした事はなかったけど、
傷付いた彼の唇に自分からキスをしました。
最初で最後の、彼へのキスでした。

今はとても後悔しています。
気付いていたのに、それでも素直に認める事が出来なかった。
もっと早く、自分の気持ちを伝えていればよかった…
「誰よりも、あなたのことが大好きです」と。