雷雨’s blog

現実を書こう!

その先

初めてドアノブにベルトをかけた。
ロープとか紐とかいろいろ探したんだけど、
手元にあったのはベルトだけだった。
初めてベルトに首をかけた。
けれど、その先にはいけなかったよ。
やっぱり、怖かったよ。
初めて包丁を自分に向けた。
胸の前の切っ先が光る。
心臓の高鳴りが煩かった。
けれど、その先にはいけなかったよ。
やっぱり、怖かったよ。
疑似体験してる。
次は何を体験する?
方法はいろいろある。
だから、ゆっくりでいいよね。
自分なりの方法でいいよね。
今日も無理だった。
なんて言い始めるから、
僕自身が驚いた。
その先には何があるんだろう。

少数派

多数派が少数派を潰しにくる。
なぁ、放っといてくれよ。
もうやめてくれよ。
ただでさえ、生きづらいのに、
面倒事を増やさないでくれよ。
価値観を押しつけないでくれよ。
どうしてそれぞれが駄目なんだ?
どうして構うんだよ?
もう何もやりたくない。
私たちはあなたたち多数派に合わせてきた。
支えてきた。
もういいだろ。
解放してくれよ。
あなたたちの奴隷じゃない。
生きてるんだよ。
もう我慢するのは嫌だ。
もう振り回されたくない。
笑いたくないのに、笑わないといけないのはうんざりだ。
面白くもない。
せめて、面白いものを持ってこいよ。
もういいだろ。
これで分かっただろ。
もう構うな。

底辺のクズだからこそ示すことができる光

幼い頃から死にたいと思っていた。
死にたい人間なのだと。
それが自分のアイデンティティなんだと理解した。
と同時に、それをなんとか隠そうとしてきた。
本当の自分が死にたい人間であるならば、
それを隠した先にあるのは、
自分が作り上げた別の人間。
でも、隠そうとしたのは誰。
隠すことで生きようとしてきたのは誰。
未だに答えは出ない。
そんな自分だからさ、
クズなんだって分かってる。
空っぽなんだと。
何もできない人間だからさ、
早く消えたいって思ってる。
存在したくなかった。
だから、目立たないようにしてきたし、目立つことも嫌いだった。
誰か殺してくれと願ってきた。
でもさ、
そんな自分だからこそ示すことができると思ってる。
底辺のクズだからこそ示すことができる光。
今、自分を責めてる人がいるならさ、
私よりはマシだから安心して。
この世に完全な善人はいないけど、
あなたは私より善人で真面目に生きてる。
頑張りすぎて疲れてるだけなんだよ。
今、私と同じように自分のことをクズだと思って、底辺にいることに悩んでいる人がいるならさ、
伝えたい。
あなたは1人じゃないと。
底辺にいることの何が悪い?
負けることの何が悪い?
私たちは世間のはみ出しもの。
だからこそ、旗を振るのだ。
それは白旗なんかじゃない。
私たちだけの旗だ。
誰かは言うだろう。
「負け犬」「クズ」「底辺」だと。
それでいて何が悪い?
私たちは雨に打たれてきた。
それは私たちだけに許された特権だ。
雨こそが私たちの生きる場所だ。
死にたいと思っていい。
ここには死にたい奴らしか集まらないのだから。
泣いてもいい。
ここには涙が水溜まりになってる。
世間のはみ出しものが世間と闘う時だ。
世間は私たちを殺しにかかる。
だから、笑って『ざまぁみろ、生きてるぞ』って言ってやるんだ。
雨が降り止むことはない。
それが私たちの居場所だから。
それが私たちの幸せだから。

今日も雨が降っている。
傘なんて持ってない。
空を見上げて頬を濡らす。
涙なのか雨なのか分からない。
でも、それが好き。
生まれたときから雨曝し。
晴れたことは一度もない。
上手くやってきたつもりだ。
この世界とも何年もの付き合いだ。
もう慣れている。
そういう人間なのだと理解している。
これは私自身だ。
死に取り憑かれたというより、
死に愛されてしまったという表現が正しい。
ほら、また耳元で囁く。
「死のうよ」
彼の愛には答えられない。
そんな勇気はない。
雨が激しさを増す。
どしゃ降りの中、雨粒の重さに堪えられず、しゃがんで泣いた。
ふと、私の周りだけ雨が止んだ。
水溜まりには、誰かの靴が写っている。
顔を上げると、誰かが傘を差し出しているのが分かった。
影に隠れて顔は見えない。
何も考えられないまま、傘を受け取ると、その人は早足で雨の中に消えていった。
見覚えのある背中に記憶がちらつく。
傘を持つ手が震えるのが分かる。
まだ雨は降り止まない。

二人

昔の自分が膝を抱えて泣いていた。
『どうしたの?』と聞くわけでもなく、
ただ、僕はそれを見ていた。
懐かしさを感じる。
前にも見た光景だ。
でも、何故だろう。
何かが足りない。
その何かが思い出せない。
ふと、君が顔を上げる。
歪んだ顔が僕を睨み付けた。
そんな目で見ないで。
そんな目で見ないで。
そんな目で見ないで。
君の首に手をかけて、僕は『黙れっ!』と怒りをぶつける。
それを、受け止めた君が笑顔で「殺して」と口元を動かした。
我に返った僕は手を離してしまって、鈍い音が響いた。
君が涙を流しながら狂ったように笑い始める。
僕は思わず目を逸らしてしまった。