蝉の声が鳴り響く前の少し涼しい風が吹く早朝。重厚なリュックの横でチリチリンと熊鈴が静かに音をたてた。息を吐けば、微かに白くそれらは消えていく。燈は目の前に広がる木々の青さに気圧されながらも、覚悟を決めたように「よし」と呟いた。ジャンパーの…
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