何のために働くのか。
金のため。
ほとんどの人がそう答える。
では、何故お金というものがこの世界にあるのか。
お金がなければ皆幸せだったのではないのか。
どうすればお金を無くせるのか。
それは人次第。
まず、何故お金が生まれたのか。
人間界にはお金というものがある。
それは、どこの国にもある。
確かに価値の違いというものはあるが、お金はお金だ。
価値。
そう、この言葉が重要なのである。
お金には価値がある。
だからこそ、皆欲しがる。
何故価値がついたのか。
それは物々交換というものだ。
昔は、魚をあげるから、肉頂戴。
そんな世界だった。
つまり、私はあなたにこれをあげる。
だから、見返りを寄越せ。
なのである。
だが、皆が皆、狩りが出来たわけではない。
得意不得意はある。
では、狩りができない者は物々交換も出来ずに死んでしまうしかないのか。
いや、お金というものを作れば解決できるのではないか!?
ということになる。
お金ならば、狩りができずとも、何かしら仕事をすれば誰しもが手にすることができる。
それは、狩りができない者でも十分に生き残れるという世界を作り上げた。
だからこそ、お金に価値がついたのだ。
そういうわけで、お金が無ければ皆が幸せだったということではなくなる。
だが、お金があるのは人間界だけである。
自然界には必要ない。
それは何故か。
動物は群れを作るが、結果的には一人で生きているからである。
群れを作る理由としても、根本的にあるのは自分の命を削るリスクを少なくするためである。
つまり、最初から自分のことだけを考えて生きている。
だが、人間は一人では生きていけない。
それは、人間は動物よりも弱いという点からそうなったと言える。
動物たちは厳しい自然の中でも生きていけるが、人間は死んでしまう。
人間は個体差が激しい。
能力値が異なるからこそ、助け合わなければいけない。
物々交換もそのうちの一つであったが、やはりそれでも弱者の救済までには至らなかった。
そこで、唯一の能力である知恵を使った結果がお金であった。
だが、考えてみてほしい。
確かに自然界と人間界は大いに異なるが、人間も動物である。
努力をすれば、お金がなくとも暮らしていけたのではないだろうか。
助け合わなければ生きていけないなら、無償で助け合えば良かったのである。
それが出来なかったのは、人間の唯一の武器である脳が邪魔をしているからなのだ。
脳が発達してしまったが故にできてしまった弱点。
それは、欲である。
動物に欲がないと言えば嘘になるが、人間よりもはるかに欲がない。
それは確実である。
欲というのは、生きる上での最低限度より上の問題だ。
動物は生きる上での最低限度で十分だったが、人間はその上にいってしまったが故に愚かになった。
その欲の一つである、自分が裕福になりたい。
裕福、それは今でいうお金だが、お金ができる前は食べ物のことを指す。
だからこそ、弱者に無償で分け与えるわけがないのだ。
自分の食べ物が減るだけなら、裕福から遠ざかる。
それは、今も同じだ。
お金を無償で渡す人は少ない。
チャリティー活動というものがあるが、進んで行う人は本当に少ないのだ。
そんな私も、チャリティー経験は少ない。
やはり、お金がないと自分も生きていけないからである。
裕福になりたい。
そういう思いもどこかにあるだろうが、今の時代はそれよりも、日本が貧乏になったことによる貧困への道に備えている人が多いだろう。
それはまた別の問題になってしまうので、ここでは追及はしない。
どうすれば、お金を無くせるのか。
それはやはり、人次第である。
人から欲が無くなれば自ずとお金も無くなるだろう。
だが、その日は人間が退化するか、滅亡するまで訪れない。