雷雨’s blog

現実を書こう!

Superliminal/新年夢小説/オリジナル(微狂)

私は夢を見る。
夢を見続けている。

New day *


新しい1年の始まり。
けれど、日常は変わることがない。
いつものように始まり、いつものように終わる。
目覚まし時計が五月蝿い。
毎度3時に起こされる。
部屋を出て、自販機からコーラを取り出す。
空になった缶をゴミ箱に投げ入れると、少し大きめの音がした。
いつものことだ。
気にせず、私は先に進む。
学校に着くと、先生が既に授業を始めているのが見えた。
私は静かに席に着いて、黒板の文字をノートに書き写すことにした。


目覚まし時計が鳴る。
いつの間にか寝ていたようだ。
私はまた部屋を出て、コーラを飲み干した。
学校に着くと、先生が誰かと話をしているのが見える。
嬉しそうに話す先生の顔が、私の胸にチクリと刺さった。
私は静かに階段を上り、教室の扉を開く。


また目覚まし時計が鳴っている。
いつの間にか寝ていたようだ。
部屋を出て、今度はサイダーを飲む。
学校に着くと、先生が目の前に立っていた。
怒ったような表情が視界の端に見える。
手に持っていたロープを思わず落としてしまった。


目覚まし時計が鳴る。
また寝ていたようだ。

目覚まし時計が鳴る。
まただ。

目覚まし時計が鳴る。


「どうして彼女はこんな状態に!?」
男は目の前の研究者を責め立てるように、声を荒げた。
「彼女は、私たちの実験に参加することを進んで志願されたのです」
「もう目覚めることがないなんて、おかしいだろ!」
研究者は、1枚の紙を取り出すと、男に見えるように机の上へ置いた。
「彼女は、既にサインをしています。"何があっても弊社は責任を負わない"ということに承認の意を示されています」
「…そんなのっ…」
少しの沈黙を破り、研究者は続ける。
「彼女は、"命の選択者"として、あなたの名前を挙げています。これは、目覚めない場合に、延命措置を行うかどうかの選択をしていただく方を差します。いかがされますか?」
「……っ」


彼女の目覚まし時計が鳴る。
今日も僕は学校に行く。