本音を言えば、師匠と同じような道を歩くことに憧れはある。
私はあの人が人として好きだったし。
師匠も師匠なりに可愛がってくれたと思ってる。
けれど、それは私が頭の中で考えてるだけで、実際はどうなのか知らない。
うざいなと思っていたかもしれないし。
それは本人にしか分からない。
聞きたくても聞ける環境ではない。
師匠は遠くに行った。
野望を持って行ったらしい。
私はなんなんだろう。
何者なんだろう。
弟子であることに変わりはないと思う。
いや、それも、冗談だったのか。
信じていたことに不信感が生まれた。
信じることは不安だ。
不安に押し潰される。
信じていたことが間違いだったと知った時、絶望する。
いや、間違いなんてないのか。
信じることに間違いなんてないのか。
ああ、どうか。
あなたの答えが欲しかった。
好きな人にも言われたんだ。
「(弟子)だからか」と。
それを選んだ理由が師匠であると。
そんなことを言われたんだ。
別に師匠を意識して選んだわけじゃない。
特別な理由があったわけじゃない。
なんとなく、と言ったら駄目か?
潜在意識に刷り込まれていたか?
なんなんだ、私は。
どうしたいんだ、私は。