雷雨’s blog

現実を書こう!

第十七話 終戦の物語

ルフィとZの戦いを皆は見守る。
血を流し続ける彼らに送る視線は冷たいものでも暖かいものでもなかった。
どうしたらいいのか分からない。
Zが勝ってもルフィが勝っても誰も動く事はできないだろう。
何故ならどちらも正義だからだ。
悪者なんていない。
ビンズ「先生!!もう止めませんか!?」
声を上げたのはビンズ。
少女とクザンから学んだ仲間の意味を彼はZにぶつけた。
Z「裏切るつもりかァ?ビンズ・・・お前はあの事を忘れた訳ではあるまい?」
ビンズは黙る。
クザンも知っている事実。
それは、海軍しか知らない。
ルフィ「あの事って・・・何だよ?おっさん」
ルフィとZは戦いながら言葉を交わした。
Z「知りたいか?・・・ならば、俺に勝て!!」
Zは挑発し続ける。
単純なルフィは乗った。
残りの体力から察するに次で最後。
ルフィは覇気を纏った。
それに、答えるようにZも覇気を纏う。
ルフィ「ウオオォォオ゛オ゛!!」
Z「来い!!」
二人の拳がぶつかる。
最後まで立っていたのはルフィだった。
Zの義手が罅割れ落ちる。
Z「・・・俺の負けだ」
ルフィの元に仲間が駆け寄った。
チョッパーは抱きついている。
アイン「ビンズ・・・」
足を引きずり出てきたアインにビンズは肩を貸した。
ビンズ「終わった。これで良かったんだ」
Zの元まで歩く。
サングラスを取ったZの目は悲しそうだ。
アイン・ビンズ「・・・先生」
Z「すまないな。歳には勝てなかった」
苦笑をするZを二人は気遣う。
その輪に少女は入った。
63「・・・」
Z「分かっている。いや、分かっていたんだ・・・ただ、認めたくなかった。仲間をな」
立ち上がろうとするZにルフィは手を貸す。
もう敵ではない。
ルフィ「仲間は大切にしろよ。おっさん」
仲間は道具ではない。
ルフィにとって仲間が家族だったように。
Zにもそう思えていた日があっただろう。
いつから変わってしまったか。
アインとビンズ、クザンには分かっている。
Z「勝った褒美に教えてやる。結果から言うとだな・・・仲間がほとんど全員死んだ」
Zは悔しそうに話し続けた。
Z「俺が海軍にいた頃、アインとビンズに会った。こいつらを育てる事が俺の仕事・・・もちろん、他にも沢山いた。ある時、隣の島へ行く事になってな、船で移動してた。そうしたら、突然海族が現れやがって・・・俺達三人以外全員殺された」
Zの話で思い出してしまったのかアインとビンズは泣いている。
これがクザンの思う、少女とZの似ているところなのだろう。
仲間を殺され、海族を憎み生きてきた少女とZ。
Zは少女に自分を重ねてしまったのだ。
63「私も復讐してやろうと思ってました。でも、ルフィ達に出会って止めました・・・まぁずっと過去を追い続けて来たのですが」
少女はポケットから果実を取り出す。
Zに捕まった時は過去をまだ見ていた。
NEO海軍と麦わらの海族団を仲間だと認めずに。
だが、先ほど気づいたのだ。
既に認めていると。
63「過去も大切ですけど、前に進むのも大切なのではないでしょうか?私はそう思います。なので、これはもういりません」
少女から手渡された果実をZは見つめた。

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・・・どうでした?
あっ赤ずきんさん!!コメありがとうございます!!
来てくれて嬉しかったです!!
また、来てくださいね!!
んじゃ、これで儀式を終わる。