雷雨’s blog

現実を書こう!

クィレル教授の手紙

哀しみを抱き寄せたあの日。
崩れてしまいそうな君の隣にいたんだ。
言葉が音になることはなかった。
傍にいられない悔しさなんていらない。
現実に取り残されてしまった君を護りたい。
生まれ変わることが唯一の希望ならばそうしよう。
きっと許してくれる。
愛してほしいとは言わない。
この胸の苦しみを君の瞳で溶かして欲しい。
君にただ逢いたい。
心が晴れることはなかった。
感情さえも無くしてしまうほどに。
あの頃に戻れると信じて。
愛してると伝え損ねたあの頃に。
君を忘れはしない。
生まれ変わることが朽ちることならば受け入れよう。
移り来る季節が全てを巻き戻してくれる。
私を満たすその姿に贈る。
遠く離れた場所で待っていて欲しい。
きっと私達は変わらない。
また荒波が訪れようとも。
生まれ変わることが悪ならば染まろう。
二人なら乗り越えていける。
愛を知る資格など私にはない。
それでも私の姿を君の眼で捉えて欲しい。
君にただ逢いたい。
君にただ―
                                                                                                                                          「愛してる」