あなたはあなたのまま死んでいく。
私は私のまま生きていく。
†Moth can not be a butterfly†
『・・・博士』
彼の冷たい頬に触れながら、顔を覗き込む。
暗い表情を何一つ変えず、その目は私を捉えた。
『フェルトン博士・・・』
椅子に深く座り込んだ博士は小さく口を動かす。
「・・・ジェニファー」
か細い声を震わせて、私の頬に博士は手を伸ばした。
その手を優しく包み込み、私は博士の額に自らの額を当てた。
『・・・私はジェニファーじゃないですよ、博士』
そう言葉にして、何かが流れ落ちた。
泣いている。
気づいた時には涙は止まらなかった。
『もう我慢しなくていいんですよ、博士』
私は彼の人生に寄り添えただろうか。
自分の人生すら掴めなかった私に何かできただろうか。
「・・・ジェニファー」
『ふふ、はい。あなたはここにいますよ』
微笑みを彼に向ければ、彼が少し笑った気がした。
『もうどこへも行きません。あなたはここにいます』
私があなたになることで、あなたを救えるならば、私は喜んであなたになろう。
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【コメント返信】
さくら様
大変嬉しいお話ですが、ご遠慮させていただきます。
申し訳ありません。