雷雨’s blog

現実を書こう!

LOGAN/ローガン夢小説 Caliban(切)

君は何者だ。
君は。
●I am yours.●
僕の前に現れた君は小さな子どもだった。
匂いを辿って君に出会った時、僕は分からなかった。
君は人間でもなければ、僕と同じでもなかった。
なのに、何故僕は君に出会えたんだろう。
今まで本当に分からなかったんだ。
あれから何年も経って君は大人になった。
僕の目の前にいるのは一人の女性だった。
君の今の姿を見た僕は気づいたんだ。
ああ、そうか。
君は。
「雷雨」
名前を呼んだら君は微笑んでくれた。
本当に幸せだったんだ。
「やめろ、やめてくれ」
君はあの頃の笑顔とは違う笑みを浮かべた。
どうして。
『・・・キャリバン』
どうして。
どうして。
「しー、大丈夫だから、何も言わなくていいから。助かるから」
『私・・・』
僕が弱かったから君は傷ついた。
僕が守れなかったから君は自分を捨てた。
『好・・きだ・・・よ』
「だめだ、だめだ、うそだ、こんなのうそだ。行くな、僕を置いて行くな。たのむ、たのむよ、雷雨」
僕の目にはもう何も見えない。
もう何も見たくないんだ。
『あ・・なたは・・・私の・・もの』
「・・・・・君は僕のものだ」
君の目にももう僕は映らない。
遠くを見つめた君の瞳をそっと閉じて。
僕は冷たい君を抱き締めた。
そして、僕の瞳には君との最期が映った。
手を伸ばしてそれを掴んで僕は。
目の前の現実に終わりを告げた。
「光に気を付けろ」
今なら分かるんだよ。
君は僕の運命の人だ。