雷雨’s blog

現実を書こう!

メン・イン・ブラック3 Men in Black III夢小説 Griffin(微ギャグ)

過去も未来も。
それは全て今の可能性。
●I love you all.●
『グリフ〜』
名前を呼ばれた男は振り向いて声の主に笑顔を向けた。
「なんだい、雷雨」
『ちょっと聞いてよ、また変な男に捕まってさ〜散々』
声の主である女は近くの椅子に腰かけると、男にも座るように促す。
「それは君の選択の問題だね。間違い続けると、君はこれからもそんな男に捕まるよ。まずはニート、次にヤンキー、そして」
『グリフ!!』
思わず女は男の言葉を切った。
「ごめん、でも、本当のことなんだ。君はいつから選択を間違えているんだい?君は物心つく前にゲームをやり過ぎて目が悪くなった。歯の生え変わりに矯正を嫌がって歯並びが悪い。七五三の写真も嫌がって撮らなかった。習い事さえも途中でやめた。選択を間違えて人生最大の親友を失った。今、選んだ道も結局は君の人生を狭める結果となっていることに気づいて」
『グリフィン!!!!』
女の怒りと悲しみは頂点に達していた。
その叫びでそれを察した男は俯いて様子を伺う。
『・・・酷いよ』
小さな呟きが女の口から漏れた。
そして、席を立とうとする。
男は慌てて女を止めると、大きく頭を下げた。
「本当にごめん、勝手に過去と未来を見ちゃって。でも、これから言うことをよく聞いてほしい」
女は溜め息をつきながら、椅子に再び腰をおろした。
『・・・何?』
一呼吸をおいて、男は口を開く。
「確かに君は選択を間違ってきたかもしれない。でも、これだけは言える。君の隣に僕がいれば君は『幸せだったわ』と言って人生を終えることができる」
『・・・』
「・・・つまり・・・」
女の目の前に男の手が差し出される。
真剣な目で男は女を見据えた。
「僕を選んでください!」
『・・・』
女は身動き一つせず、固まったまま口も開かない。
「・・・雷雨?」
心配になった男は女の目の前に手をかざして左右に振ってみるが、女の視線は一点を見つめたままだった。
『・・・・・いの』
「え?」
女は何か言葉を発したが、声が小さく、うまく聞き取れない。
『私・・いの』
同じ言葉が繰り返されるが、男には分からなかった。
女の目から涙がこぼれ始めると、男は焦り、ポケットからハンカチを取り出す。
「ごめん、傷つけたよね、ごめん、僕のせいだよね」
『私でいいの?』
涙を拭いてあげようと男が女の顔に伸ばした手が止まる。
「・・・その言葉の未来は見てなかったな」
参ったなと言うように男は頭を掻いた。
そして、そっと女の涙を拭い、微笑んだ。
「君はこれから幸せになる」