雷雨’s blog

現実を書こう!

七夕

僕は部屋の隅で踞って、ただ画面を凝視する。
耳を済ましてその時を待ちわびて、涙を一つ流した。
音が聴こえた気がして、我に返る。
何を馬鹿なことをしているんだろう。
何故人を信じているんだろう。
ふと、何かを思い出して、立ち上がる。
久々に机に向かって、僕は筆を取った。
書いたところで何かが変わる気はしなかったが、それでも手は止まらなかった。
時折、窓の外の空を眺めては、昔を思い出す。
あの頃は楽しかったな、なんて言えない自分が空しい。
どうしようもない自分が愛を語るなんて、幼い自分は想像しただろうか。
人を愛することがどういうことなのか、全てを知ったわけではないが、この心が愛でなければ僕はこの世にいなかっただろう。
夢を追いかける悔しさも、人を愛する恐怖も、僕には荷が重すぎる。
つらくないって言ったら嘘になる。
それでも、今の自分が昔の自分に『間違ってない』と言い張るから、未来の自分も今の自分自身に『それでいい』なんて言うんだろうなって考えてしまう。
自分に痛みがあるように、誰かを傷つけてるかもしれない。
まだ短い人生ではあるが、それでも誰も傷つけずにここまで来たなんて誰も言えない。
だから、僕は不安に押し潰されそうになりながらも、あなたに気持ちを伝えたい。
僕を形作ってきた全てを肯定するために、僕はあなたへの思いも肯定する。
あなたの僕に対する拒否権も肯定する。
僕は否定なんてするもんか。
否定は腐った世界だけでいい。
なんて考えてたら、いつの間にか僕は一文を書き終わっていた。
願いを込めて手を合わせ、それを吊るす。
僕を吊るす。



七月七日にこれを書く。
雷雨。