雷雨’s blog

現実を書こう!

Dead by Daylight/クリスマス夢小説/THEDOCTOR(微グロ)

愛が恐怖に変わるなら、愛情が凶器にもなる。
一滴の血で欲情するなら、体液で満たすことも可能か。


† Convulsions of love †


女は虚ろな目で、男を見た。
助けを呼ぼうにも、開口器が邪魔をする。
手足の自由が利かない状態で、何日が経過したのか、彼女は数えることすらも止めた。
仰向けにされた体勢で、上からは眩しいライトの光が降り注いだ。
時折、男の影がちらつく。
ハーマン・カーター。
それが生前の彼の名だった。
無理矢理こじあけられた目が突然、目の前に現れる。
隅々まで観察するように女を見ると、傍にあった機械を弄り始めた。
それを見て、彼女は焦り始める。
声にもならない声をあげて、寝台が揺れた。
辺りに少しだけ電光がはしる。
彼女は痙攣し、意識を手放すか、手放さないかをさ迷っていた。
それを見て、男は不気味な笑い声をあげる。
女の顔を覗き込むと、開口器で開かれた男の口から、体液が滴り落ちた。
それを理解もできず、ただ女は自らの口でそれを受け止める。
思考が定まらない中、彼女はただ何かを待っていた。
だが、それが何なのかも、もう思い出せない。
一定の間隔で電流を流された身体は、所々血が滲み、脳さえも、深い傷を負っていた。
もう助からない。
助かっても生きられない。
彼女の目から涙が一筋流れると、それを男が舐めとった。
生前の彼をよく知っていた彼女にとって、今目の前にいるのは、ただの化け物に過ぎなかった。
それでも、歪んだ愛を注ぎ続けるそれに、情が移り始めているのも確かだ。
死ぬまで、否、死んでも愛してくれるなら。
一瞬だけ、女は微笑むように目を細めると、再び男の愛を受け入れた。
痙攣する思考に、男への愛情を秘めて。





『ハーマン、今日はプレゼントがあるの』
「嬉しいね、何をくれるんだい?」
『ちょっと不恰好かもしれないけど、マフラーを編んだの…』
「本当に!嬉しいよ!ありがとう」
『メリークリスマス、ハーマン』
「メリークリスマス」





もうあの頃は帰らない。