雷雨’s blog

現実を書こう!

Divinity:OriginalSin2/クリスマスイブ夢小説/アンデッド(微切)

僕は君。
君は僕。


† Reincarnation †


格子の向こうで君が泣く。
運命に抗えず、嘆いている。
それが僕にとってはただ悲しかった。


『あなたには死が無い』


突然、君は僕に触れた。
驚いた感情も、表情のない僕からは伝わらない。
君は冷たい僕の顔に触れていた。


「僕にも死はある。ただそれは人間のそれとは違うだけ」


格子から伸びた細い手を取り、力強く握る。
君の瞳が一瞬だけ光を放ち、また床に落ちた。
彼女の脈打つ鼓動が日に日に弱くなっていくのを感じながら、僕は自分の感情のままに事を進めていた。


『痛みは感じる?怖い?』


ふと、上を見上げると、壊れかけた天井の隙間から雪が降っているのが見えた。
珍しい光景に僕が少し見入っていると、彼女が力尽きたように倒れる。
辛うじて息をしているが、もうすぐそれも止まるだろう。


「感じるよ…怖いとも思う」


触覚がほとんどない僕の手でも、彼女の体温が消えていくのが分かった。
冷気に紛れていた、白い息ももう無い。
僕は感傷に浸る間もなく、彼女の肉を溶かし始めた。


「またすぐに会えるよ…僕らは同じ」


彼女の恐怖を取り除くためについた嘘も、もう必要ない。
僕はただ君と共に。


君が再び動き始める。
僕と同じ姿になって。


「おかえり」


聖なる夜に君は生まれた。